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01. 羅刹
寧惡(ねいあく)なる貌形(ぼうぎょう) 闇に紛れて
怨み辛(つら)み纏(まと)いて立つ
靜寂(せいじゃく)なる真秀ら場(まほらば)
酸鼻(さんび)を極め
月の貌(かお)も朱に染まる
暴(ぼう) 憎(そう) 念(ねん)
血達磨(ちだるま)の族(うから) 咒いを迂めて
烙印(らくいん) 押さるる鬼は
忘れじの追儺(ついな)と紊(みだ)る污吏(おり)の流れ
聯亙(れんこう)の罪 連れを枕(ま)かれ
手くろもの相應(ふさい)の拷(ごう)を以ち贖(あがな)え
淵謀(えんぼう)の荼毘(だび) 怨(おん)は絕えぬと
啟白(けいはく)する內憤(ないふん) 神に疏(うと)まれ
繼(つ)ぎの吾子(わこ)も呆氣(あけ)に縊(くび)れる
暴(ぼう) 憎(そう) 念(ねん)
火達磨(ひだるま)の族 救い求めて
經絡(けいらく) 突かるる餓鬼(がき)は
忘れじの追儺と紊る污吏の流れ
聯亙の罪 連れを枕かれ
手くろもの相應の拷を以ち贖え
淵謀の荼毘 怨は絕えぬと
暴 憎 念
茹(う)だる魔の嬰兒(えいじ)
插(す)げる鬼殿(おにどの)
脈々 續く蛇道(じゃどう)は
忘れじの追儺と紊る污吏の流れ
聯亙の罪 連れを枕かれ
手くろもの相應の拷を以ち贖え
淵謀の荼毘 怨は絕えぬと
02. 朧車
青ざめた水面に映る月が
朧氣に搖蕩(たゆた)い乍(なが)ら
浮雲の如き空蟬(うつせみ)の身は
漫(すず)ろはし想いを手操(たぐ)る
彼方(かなた)に目掛けた
虛ろな詞(ことば)に
灰と塵を浮かべて
無明(むみょう)の明日へと
遍(あまね)く全てを
抱き締めて 舞い上がる
風よ 空よ
未だ見ぬ異鄉に聳(そび)える彼(あ)の闇を
突き拔けて行け
彼方に目掛けた 虛ろな詞に
灰と塵を浮かべて
無明の明日へと 遍く全てを
抱き締めて 舞い上がる
風よ 空よ
未だ見ぬ異鄉に聳える彼の闇を
突き拔けて行け
雨よ 雲よ
何時(いつ)の日か此處(ここ)で朽ち果て消ゆるとも
躊躇(ためら)いはせぬと
03. 煌
閉ざされた視界を
詛(まじな)いでこじ開けて
隱された欺瞞(ぎまん)を
白日(はくじつ)に曬し上げ
此(こ)の胸の胎芽(たいが)は
迸(ほとばし)る炎(ほむら)と
今 煌(きらめき)を放つ魔魅(まみ)へと
腫れ上がり輝き出す
迂み上げた想いを
思う樣(さま)吐き出して
振り上げた拳を(鐵槌(てっつい))叩き付けろ
此の胸の胎芽は 迸る炎と
今 煌を放つ魔魅へと
腫れ上がり輝き出す
閉ざされた視界を 詛いでこじ開けて
隱された欺瞞を 白日に曬し上げ
心の裡(うら)で響く英靈(えいれい)の詞(ことば)
其(そ)の胸の怪訝(かいが)は
軈(やが)て來る淘(よな)げと
今 煌を放つ魔魅へと
此の胸の胎芽は 迸る炎と
今 煌を放つ魔魅へと
腫れ上がり輝き出す
04. 牛鬼祀り
嗚呼(ああ) 海潮(うしお)に乘りて
屆く幽冥(ゆうめい)の聲
嗚呼 雲居(くもい)の彼方(あなた)
融(と)けて混ざり消え逝(ゆ)く
今宵(こよい) 贄(にえ)の宴や
來たれ 乙女 我を滿たさん
小袖(こそで)の時雨(しぐれ)は
現世(うつしよ)の未練と
又選られ逝(ゆ)く
寢覺(ねざ)む殘花(ざんか)への手向(たむ)けよ
天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ
をとめの姿 しばしとどめむ
世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ
あまの小舟の 綱手(つなで)かなしも
忘られぬ想いを 胸に抱だいて
黃昏(たそがれ)る波間を望みて いざ逝かば
今宵 贄の宴や
眠れ 乙女 我は滿ちたり
小袖の時雨は 現世の未練と
又選られ逝く 寢覺む殘花の手向け
別離世(わかれよ)の唄は
滿(み)つ潮に吞まれて
雲居の遙かに 融けて混ざりて消えるまで
05. 烏天狗
山薊(やまあざみ) 踏みさくみ我行く
圓(まる)い天道(てんどう)がかんかん照りつける
獸道 惡(あ)しき夢の途中
惑う魔道を真逆(まさか)に舞い降りる
およしよしよ可愛い御稚兒(みちご)
坊やを攫(さら)うて行こう
天(あま)を驅け迴(めぐ)る
翼の戲(たわむ)る音は
時も捩(ね)じ曲げる 肱(かいな)を
強(し)いて取りて連れる前兆(しらせ)と
山嵐(やまあらし)
鬼燈(ほおずき)に頰摺り(ほおすり)
空にゃ何時(いつ)しかぽっかり御月樣
月明(つきあかり) 我を照らしもせぬ
過(よ)ぎる余念は夜霧を呼び止める
おこれこれよ可愛い御稚兒
娘(じょう)ちゃを連れて掃ろ
天を驅け迴る翼の戲る音は
時も捩じ曲げる 肱を
強いて取りて連れる前兆と
天を驅け迴る翼のはためく音は
時も飛び越える 遊戲(ゆうぎ)を
誣(し)いて愚(お)りて告げる調べと
06. 陽炎忍法帖
終わりなき破戒(はかい)の咎(とが)
棕櫚(すろ)に污泥(おでい)を塗りたくる
伽藍堂(がらんどう)の苑(その)には
噎(むせ)ぶ聲が轟(とどろ)く
其(そ)れは慚死(ざんし)の思いと
此(これ)は讒毀(ざんき)の報いと
彼(あれ)は陽炎(かぎろい)の剎那(せつな)に
澱(よど)みゆく只(ただ)一片(ひとひら)の靨(えくぼ)
陽炎忍法(かげろうにんぽう)
心無き所業(しょぎょう)の果て
揃(そろ)い集う罪人(つみびと)ども
鶯(うぐいす)に啼く聲は
黑き冥府(めいふ)に吞(の)まれ
其れは慚死の思いと
此は讒毀の報いと
彼は陽炎の剎那に
沈みゆく只一片の靨
陽炎忍法
其れは慚死の思いと
此は讒毀の報いと
彼は陽炎の剎那に
崩れゆく只一片の靨
07. 月に叢雲花に風
謦(こえ)が囁いている
翳(かげ)りの淵は身悶(みもだ)える
時が轟いている
路傍(ろぼう)の人は行き過ぎる
啟示(けいじ)の月が夢に舞う一瞬の刻を
花に生まれて甘(うま)に笑いて
慶事(けいじ)の月が雨に啼(な)く一瞬の刻を
雲に焦がれて風は風(な)いで
末那(まな)が搖らめいている
滾(たぎ)りの韃(むち)は翻(ひるがえ)る
澱(おり)が蠢(うごめ)いている
返(かえ)しの前に短(みぞ)くなる
啟示の月が夢に舞う一瞬の刻を
花に生まれて甘に笑いて
慶事の月が雨に啼く一瞬の刻を
雲に焦がれて風は風いで
華やいだ虛飾(きょしょく)の風の宿りから
雲の切れ間仰ぎ謳(うた)う
啟示の月が夢に舞う一瞬の刻を
花に生まれて甘に笑いて
慶事の月が雨に啼く一瞬の刻を
雲に焦がれて風は風いで
啟示の月が夢に舞う一瞬の刻を
花に生まれて甘に笑いて
慶事の月が雨に啼く一瞬の刻を
雲に焦がれて風は風いで
08. 組曲「黒塚」~安達ヶ原
風の音の遠き 古(いにしえ)の咎(とが)よ
今は結ぼほる ?(みずち) の玉か
木の暮れの闇に 潜みて存(ながら)へば
此処ながら黄泉つ 獄となりぬる
幽(かそ)けし 人の心ばへ
交(まじ)ろふ 鬼のささめき
朽ち残る骨は 何ぞ白き色や
野晒しとなりて なほ薄笑う
幽けし 人の心ばへ
交ろふ 鬼のささめき
底ひなき 常闇に落つ
血染まる 衣(きぬ)を纏ひて
我はさも 鬼魅(きみ)となりけり
血を啜り 肉を喰らふ
我はさも 鬼魅となりけり
血戯(ちそばえ)へて 爪(つま)を掲ぐ
あれほど見てはならぬと申したに、
とうとうこの姿を見られてしもうた
あなた様もこの婆とかかづろうたのが
運の尽きと諦めなさるがええ
いかにも累々と積もる白骨は
私の喰ろうた人のなれの果て
私も昔は若く美しゅうございました
背負い切れぬ程の業罪が
私を鬼にしたのでございます
いつしか口は裂け顔は醜く歪み
髪はみすぼらしい白髪になり果てました
一夜の宿をと訪ね来た旅人の喉笛に
爪を立て血を啜り其の肉を喰ろうて
今日まで生きながらえたのでございます
何故このような業を背負うたか
それは私が死んだ我が子を
喰ろうてしもうたからです
09. 組曲「黒塚」~鬼哭啾々
血潮(ちしお)垂(た)る刃の如(ごと)き
心は瞋恚(しんい)に燻(ふす)びて
哀れなるは業に
ただ呻(うめ)きすめく鬼よ
我が手で黃泉路(よみじ)へと導く
永遠(とわ)に鬩(せめ)ぐ運命(さだめ)に
哭(な)いて このつつ闇を
流る先に光は見えぬ
鳥の音(ね)は遠く
吹きしく風に消ゆ
過ぎし日の姿
ほろほろと散りぬる
戰慄(わなな)けどひとり
のづらに佇(たたず)み
踏み惑う花に
懷かしき歌は響く
曝(さら)け出す嘆きを
ただうち震わす鬼よ
その手を祓(はら)いて清めんと
永遠に狂(たぶ)る運命を裂いて
降魔(ごうま)に落つる
それは暗き闇夜を千切(ちぎ)る
安らけし光を知りて
弔(とぶら)いは業を解き放(さ)く
その目に淚は溢るる
10. おらびなはい
せいや そいや はいや てやてやてやてや
せいや そいや はいや てやてやてやてや
おぉれやめぉ みんながいなわい(がいな)
せしかましいがに よもだもいわんと
つばえてくれよらい(禮(らい))
めんどしいこと ひとっつもないてや(やあ)
もっともっと ちばけてええけん
(さぁ皆さんご一緒に)
手を ぎゅうと握り 腕を高く伸ばし
胸に息吸い迂んで
見えるがまま 思うがまま 感じるそのまま
叫ぶ聲を もっともっと聞きたい(ほい)
おぉれやのぉ まっことがいなわい(がいな)
むつこいわいて よもだもいわんと
つばえてくれるけど(まだまだ)
おらびなはい(おらびよらい)
おどりなはい(おどりよらい)
まだまだ まだまだちばけてええけん
(懲りずに皆さんご一緒に)
手を もっと握り 腕を もっと伸ばし
胸に もっと息吸い迂んで
見えるがまま 思うがまま 感じるそのまま
叫ぶ聲を もっともっと聞きたい(ほい)
せいや そいや はいや てやてやてやてや
せいや そいや はいや てやてやてやてや
見えるがまま 思うがまま 感じるそのまま
叫ぶ聲を もっともっと聞きたい
見えるがてや 思うがてや 感じよるがてや
もっと おらびなはいや
せいや そいや はいや てやてやてやてや
せいや そいや はいや てやてやてやてや
てやてやてやてや てやてやてやてや
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