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01. 夢幻
羽ばたいた翼は
邪魅に羽を灼かれ
舞降りた花床で
開かる
02. 邪魅の抱擁
思う 燻べる 黒は
恣に 蹂み 躙ると
もう 穢れた 白に
身罷る 此の 皇 譬う 金翅雀
黒とも 白とも
交えぬ 魂 燃え上がり 灰と狎れる
巓に遊ぶ守りは 魁を無くし絶える
手そぶも 馘した
邪魅の子らは 生えて 企み
蛇 顕 尾得て 企み 戯える
流浪の 骸は
志半ば 文 滲むと
様 崩れた 城に
見紛う 此の 絖 今や虎子
玄人も 素人も
交えぬ 魄 燼滅は 魔魅を 殖ふ
巓に遊ぶ守りは 魁を無くし絶える
手そぶも 馘した
邪魅の子らは 生えて 貶み
蛇 顕 尾得て 貶み 翳む兄
仙に余る者は 径を創り 軈て
僊るも 御厨
邪道越えて 抱いて 羽包くみ
戯れて 抱いて 育み 悶える
縷 纒えど 精神は 錦と
麗しさに 目が眩らむ 悪し物
巓に遊ぶ守りは 魁を無くし絶える
手そぶも 馘した
邪魅の子らは 生えて 貶み
蛇 顕 尾得て 貶み 翳む兄
仙に余る者は 径を創り 軈て
僊るも 御厨
邪道越えて 抱いて 羽包くみ
戯れて 抱いて 育み 悶える
03. 睡
微睡(まどろみ)と眩暈(めまい)の 騒めきの檻(おり)で
堪え難き 亡状(むじょう)に 浮腫(むく)む我の躯(からだ)
賢(さか)しく無くとも 魯鈍(ろどん)に非(あら)ず
故(ふる)しの寝糸(ねいと)を 怪しみ創めた
嗚呼(ああ) 肱(かいな)の蛆(うじ) 佯(いつわり)を 照らし出して
深い睡りに 食(お)され眩(ま)いて 嫋(たお)やいで
昏冥(こんめい)と夜光に 爛(ただ)れし総身で
掛替(かけが)えぬ 玄孫(やしゃご)を 屠(ほふ)るは 穢(え)の内羅(ないら)
及びで無くとも 烏滸(おこ)には非ず
頑愚(がんぐ)の戯(あじゃら) 過ぐ世(せ)は寂(さび)れた
紅(あか)い 血に怖(お)じ 何時(いつ)の間にか 誰殺(たそ)がれて
深い睡りに 食(お)され眩(ま)いて 嫋(たお)やいで
赫(かがや)き迄 腐(くち)で縅(おど)すの
閃(ひらめ)く其(そ)の目見(まみ)に泛(うか)ぶは 泪
嗚呼(ああ) 肱(かいな)の蛆(うじ) 佯(いつわり)を 照らし出して
深い睡りに 圧(お)されまじと
星を鎖(とざ)した儘(まま)で
沙(すな)の誘いに 堕(お)ちる目方(まえ)に 差し延べて
邀(むか)ふ醒(めざめ)に 澱(よど)まぬ意志 其(そ)の聲(こえ)を
04. 鼓動
其の瞳を 開いた夜
此の手に 誓った
彼の背を 超える力
己が 裡に 在りやと
春には 喚起を噴き
夏には 怠り
秋こそ 就けんと起ち
冬に 見切り戯ける
諧声も 全に擦れて 通り過ぎる
嘆声は 雨に濡れて
湿る 木霊
空に臨まば 揺れる
撓に 歪む心を
蒼き鼓動で 裂ける胸 観じて
東 朝を迎え
西から 帆を出し
南の 風の吹子
北に 明日を眺める
内命は 折に触れて 魂責める
大兄の 詭謀 除けて
手繰る捷路
空に臨まば 揺れる
撓に 歪む心を
蒼き鼓動で 裂ける胸 観じて
此の鼓動が 突き上げる
錯れる 乱り胸 観じて
空に臨まば 揺れる
撓に 歪む心を
蒼き鼓動で 翔る胸焦がして
05. 舞頚
軍配(ぐんばい) 無い袖は振れぬ
仇敵(てき)は無く 身方(みかた)も絶え
顛沛(てんばい) 泥土(でいど)に消ゆ
寄らば斬る世迷(よま)い
素(そ)っ首 洗って待っておけ
半刻(はんこく)で 我が手中
月牌(がっぱい) 内乱罪(ないらんざい)
喝(か)す 打(ぶ)ちのめす
諍(いさか)う其(そ)の益荒(ますら)は
轟(とどめ)きの懺悔(ざんげ)に戦慄(わなな)く
討ち果(はた)すは互いの
唯一(ゆいつ)の蝋燭(らっそく)なる頭(かしら)
怨(うら)みは消えぬ 裁きを
脱(たっ)す 脱す 脱す 然(そ)して 斬る
流れる 此(こ)の泪と
遅蒔(おそま)きの惨劇(さんげき)は永(なが)く
魂消(たまぎ)る程 輪廻(りんね)な
此(こ)の念(おも)いは 雲散霧消(うんさんむしょう)
散(あか)る 鬨(とき)の唄は 黒き海に呑まれ
重(おも)る 病(や)みを 統(す)べる
諍(あらが)う 巴(ともえ)の 人騒(とぞめ)きは 滅ばぬ
罪(つみ)も科(とが)も 斬らば御破算(ごはさん)
月も尖(とが)る 旧(もと)の木阿弥(もくあみ)
散(あか)る 鬨(とき)の唄は 黒き海に呑まれ
重(おも)る 病(や)みを 統(す)べる
争(あらが)う 強敵(とも)への 情(なさけ)の呵(か)を
赤(あか)る 時(とき)の唄は 黒き淵(ふち)に揉(も)まれ
重(おも)る 闇(やみ)を 辷(すべ)る
諍(あらが)う 巴(ともえ)の 犇(ひらめき)は 転ばぬ
06. 輪入道
(轟 動 動 轟(ごう どう どう ごう) 視(み)るも無慙(むざん)な 地獄絵の
(轟 動 動 轟) 左手(ゆんで)の端(はし)は 末(すえ)の愛子(まなご)
(轟 動 動 轟) 此所(ここ)は勝母(しょうぼ)の里(さと)に附(つ)き
(轟 動 動 轟) 余所(よそ)へどうぞと 拝み倒し
秋雨(あきさめ)は 山車(だし)に 子良(こら)が 踏(ふ)みしゃがれ
未(ま)だ 幽(かす)かに在(あ)る 息の根を止める 弐(に)の矢
(轟 動 動 轟) 回(み)るは車輪と 地獄への
(轟 動 動 轟) 牛頭馬頭(ごずめず)どもの 駈(か)る荷車(にぐるま)
(轟 動 動 轟) 何其(なんぞ)れ彼其(かぞ)れ 叫(わめ)くとて
(轟 動 動 轟) 車は急(せ)いで 止まりゃしない
嗚呼(ああ) 刻む轍(わだち)に 空も知らぬ雨
唯(ただ) 過ぎ行く影 ねまる 想いは 聳(そばだ)ち
嬲(なぶ)る霊(ひ)の片(ひら) 媒(なかだち)
嘖(さいな)む 我が慕情(ぼじょう)に 幕下ろす
さあ 廻(めぐ)り行け
脚を取られりゃ 韋駄天(いだてん) 立ち往生
腕をもがれりゃ 弁天(べんてん) 弾かれぬ琵琶(びわ)
(下衆 駕す 貘(げす がす ばく)) 廻(もとおし)まで
(下衆 駕す 貘) 催(もよお)し 危(あや)める
玉を取られりゃ 仰天(ぎょうてん) 後(あと)の祭り
尻を蹴られりゃ 月天(がってん) 番(つがい)の雛(ひな)
(下衆 駕す 貘) 廻(もとおし)まで
(下衆 駕す 貘) 催(もよお)し
(下衆 駕す 貘) 旧(もと)の島で
(下衆 駕す 貘) 催(もよお)し 殺(あや)める
嗚呼(ああ) 刻む轍(わだち)に 空も知らぬ雨
唯(ただ) 過ぎ行く影 ねまる 想いは 聳(そばだ)ち
嬲(なぶ)る豕(い)の血が 媒(なかだち)
嘖(さいな)む 輪が五条(ごじょう)に 撒(ま)く我羅斬(おろす)
さあ 廻(めぐ)り行け
常(とお)に 刻む轍(わだち)
07. 煙々羅
其処に只在る事を 玉響にふと描き
連れに相成る 夢の中で
倶に暮れ 逝く時は此の胸に抱き寄せて
瞼に約す 来世で待つ
今 辿り着いた 夢幻の静寂
千萬天華咲く光来 其は刹那の風
運命帰すのは 会者定離の流
然れど 廻り 再び逢う
此処に未だ在る事の 尊さにふと甘え
尽くす想いも 夢の儘で
倶に暮れ 逝く時は睦まじく寄り添って
重ねた日々に 別れ告げて
今 手繰り寄せた 無限の欠片
千萬天華咲く光来 其は刹那の風
運命帰すのは 会者定離の流
然れど 廻り 再び逢う
夜雨 夜霧を紡ぎ 満つ 遙か彼方
烟る羅に 其の姿を 重ね
千萬天華咲く光来 其は刹那の風
運命帰すのは 会者定離の流
然れど 廻り 再び逢う
然れば 萌み 必ず逢う
此処で逢える
08. 涅槃忍法帖
性(さが)なき 囀(さえず)る 雑魚(ざこ)にさえ
情けの 名謁(なだめし) 何を成す
贖(あが)ふ 足を 洗い 改(あらた)む
塞(せ)かふ 聲(こえ)に (脱 抜 殺 喝 刺(だつ ばつ さつ かつ らつ))
惑わされても (脱 抜 殺 喝 刺)
取り合わない (脱 抜 殺 喝 刺)
降魔(がま)の 如(ごと)き 沙汰(さた)では 動けぬ
敢(あ)え無き 垢染(あかじ)む 阿堵(あど)にさえ 足掻(あが)く
内衛(ないえ)を 宥(なだ)める 和(な)ぎを為(な)す
栄(さか)う 逆蟲(さかむし)と 差し渡す
祈(ね)がう 聲を (脱 抜 殺 喝 刺)
繋ぎ止めても (脱 抜 殺 喝 刺)
取り敢えない (脱 抜 殺 喝 刺)
蝦蟇(がま)の 如(ごと)き さだでも 蠢(うごめ)く
同胞(はらから)よ 決して怖(お)じけるな
希望は無くとも 意義は在る
何程(どれほど)の血が其処(そこ)に流れようとも
新たなる芽吹きに 是非(ぜひ)は無し
涅槃の扉は 水色の飴
盪(とろ)ける さらめきを 後ろに
嗚呼(ああ) 椴(とど)の樹を 挽(ひ)きながら 罷(まか)りゆく
已(や)むを得ず 二度と帰れぬ身と 相成(あいな)った
助けも 情けも無用 屍(しかばね)は晒(さら)しておくがよい
皆 怠(おこた)りなく 任務を果たせ
では然(さ)らば 涅槃では俟(ま)たぬ
涅槃の調べは 水銀(みずかね)の雨
届ける 漣(さざなみ)を 蓆(むしろ)に
嗚呼 轟(とどろき)を 聴き乍(なが)ら 交ざりゆく 肉体(からだ)
祈がう 聲を (脱 抜 殺 喝 刺)
繋ぎ止めても (脱 抜 殺 喝 刺)
取り敢えない (脱 抜 殺 喝 刺)
蝦蟇の 如き さだでは
直(す)ぐに 澱(よど)んで 消える
でも 俟たない でも 俟たない
でも 俟たない でも 俟たない
09. 夢虫
かげろふ 野辺(のべ)に揺蕩(たゆた)えど
瞬(まじろ)く刹那(せつな)の恋を手繰(たぐ)り
後世(のらせ)に渡す白糸(しらいと)は 宿世(すくせ)を希(のぞ)みて翅(はね)に纏(まつ)る
祷(いの)りは 夜(よ)を籠めて 月を染(そ)むる
樹々(きぎ)に花に水に 青は満ちる
生まれ落(お)つ命と 果てる命は
同じ雨に濡(そぼ)つ 運命(さだめ)と知り乍(なが)ら
靄(あい)に霞(かす)む 玻璃(はり)の眸(ひとみ)は
遠き空を 見放(みさ)きて 堕(お)つる
水に散りそむ花の様に
その身は解(と)けて 流(なが)る
嗚呼(ああ) 夜は更(ふ)け往(ゆ)く
夢路(ゆめじ)に独(ひと)り 翅(つばさ)を閉じて
愛(かな)しむ歌さえ 歌えぬ時の果無(はかな)さ
嗚呼(ああ) 夜け明(あ)けぬる
夢路(ゆめじ)に火取(ひと)る 翅(つばさ)は朽(く)ちて
愛(かな)しむ歌さえ 遺(のこ)せぬ時の果無(はかな)さ
かげろふ 野辺(のべ)に揺蕩(たゆた)えど
瞬(まじろ)く刹那(せつな)の恋を手繰(たぐ)り
後世(のらせ)に渡る翅(はね)の音?
10. 河童をどり
なんちゃやない なんぼじも
かんまない 唄いなはいや
しやって だまっち 見よるがやったら
あぁ じゃらじゃらすなや はじまるぜ
(皿(べい)!)心に秘めた 真の魄(たま) 引きずり出して進(しん)ぜる
向(むこ)う疵(きず)が渇いたなら 兎(と)に角(かく)愉快に踊りましょう
がまんなこと 言うたちいけない
凸間凹間(でくまひくま) なかようにせな
なにまりかにまりよもだ言うたちいけんやねぇか
はよせな 人生 瞬(またた)くぜ(しゃきたおっそこなぁ)
(皿(べい)!)心に秘めた 真の魄(たま) 引きずり出して進(しん)ぜる
向(むこ)う疵(きず)が渇いたなら 兎(と)に角(かく)愉快に踊りましょう
更(さら)なる求道(ぐどう) 果て無き宇宙
在(あ)り馴(な)る郷(さと)を 愛(いと)しみ乍(なが)ら
然(さ)らば気高(けだか)き 社(やしろ)の諸公(しょこう)
在(あ)り待つも好(よ)し 連れ立つも佳(よ)し
(皿(べい)!)心に秘めた 真の魄(たま) 引きずり出して進(しん)ぜる
向(むこ)う疵(きず)が渇いたなら 漲(みなぎ)る力を 全部出して
(皿(べい)!)その手に掴(つか)む 信の珠(たま) 耀(かがや)き出せば信ずる
向う見ずが祟(たた)ったなら 一先(ひとま)ず暢気(のんき)に踊りましょう
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